コンテンツにスキップ

Security Hub CSPM

本ページの情報は 2026 年 5 月時点のものです。セキュリティ基準は AWS Foundational Security Best Practices(FSBP)v1.0.0 を対象としています。

Security Hub CSPM とは

AWS Security Hub の CSPM(Cloud Security Posture Management)機能は、AWS リソースの設定がセキュリティベストプラクティスに準拠しているかを継続的にチェックするサービスである。AWS アカウント内のリソース設定を自動でスキャンし、ベストプラクティスから外れた設定を「セキュリティ上の問題」として可視化することが主な役割になる。

コントロールと AWS Config の関係

Security Hub CSPM のチェック項目は「コントロール」と呼ばれる。各コントロールは内部的に AWS Config ルールによって評価されており、Security Hub を有効化すると、対応する Config ルールが自動でアカウントにデプロイされる。

役割
Security Hub CSPMコントロールの有効化・無効化、複数アカウントの集約、重大度の付与、finding 形式の標準化
AWS Config ルールリソース設定の実評価(COMPLIANT / NON_COMPLIANT の判定)
AWS Config(リソース記録)リソースの設定情報を継続的に記録し、Config ルールに渡す

Security Hub の finding(検出結果)は、内部で動作する Config ルールの評価結果から生成される。Config ルールが NON_COMPLIANT を返した場合、Security Hub では FAILED の finding が生成され、COMPLIANT を返した場合は PASSED の finding になる。

finding のステータス

Security Hub の各 finding は以下のステータスを持つ。

ステータス意味
PASSEDコントロールの評価基準を満たしている(リスクなし)
FAILEDコントロールの評価基準を満たしていない(要対処)
WARNINGリソースが評価できなかった(権限不足等)
NOT_AVAILABLE評価対象リソースが存在しない

本記事では PASSED / FAILED の挙動を中心に扱う。

セキュリティ基準

Security Hub CSPM はあらかじめ定義された複数の「セキュリティ基準」(standards)を提供しており、各基準は数十〜数百のコントロールで構成される。AWS Foundational Security Best Practices(FSBP)、CIS AWS Foundations Benchmark、PCI DSS などが代表的である。本記事では後述の理由により FSBP を対象とする。

セキュリティ基準と重大度

FSBP を対象とする理由

Security Hub には複数のセキュリティ基準(CIS AWS Foundations Benchmark、PCI DSS 等)があるが、本記事では AWS Foundational Security Best Practices(FSBP) を対象とする。FSBP は AWS 自身が定義したベストプラクティス集であり、AWS サービス固有の設定チェックが最も網羅的に含まれている。他の基準(CIS 等)は業界標準の観点からのチェックであり、FSBP と重複するコントロールも多い。

重大度 CRITICAL / HIGH にフォーカスする理由

Security Hub コントロールの重大度は、悪用の難易度侵害の可能性に基づいて AWS が割り当てている(AWS Prescriptive Guidance)。

重大度定義意味
CRITICAL即座に修復すべき(escalating を避けるため)悪用が容易で、侵害の可能性が高い。放置するとリスクが拡大する
HIGH優先的に対処すべき悪用の難易度は中程度だが、侵害された場合の影響が大きい
MEDIUM緊急ではないが対処すべき悪用の難易度が高い、または侵害の影響が限定的
LOW単独では対処不要他の問題と組み合わさった場合にリスクとなる可能性がある

MEDIUM / LOW のコントロールも対処すべきものであり、無視してよいわけではない。ただし、AWS は「CRITICAL と HIGH の finding を優先的に調査することを推奨」していることから、本記事では対処の優先順位に従い、まず CRITICAL / HIGH のコントロールを対象とする。

CRITICAL / HIGH コントロールの全体像

FSBP の CRITICAL / HIGH コントロールは合計 82 件(CRITICAL 27 件、HIGH 55 件)ある。セキュリティ上の懸念パターンで分類すると以下の通り。

パターン件数割合CRITICALHIGH概要
パブリックアクセスの防止3543%2114リソースがインターネットに公開されていないことを確認
セキュリティサービスの有効化1417%113GuardDuty、Inspector、Config 等の有効化
パッチ / バージョン管理79%07IMDSv2 強制、マイナーバージョン自動アップグレード等
最小権限 / アクセス制御67%06ワイルドカード権限の禁止、SG の制限等
認証情報の保護67%42クリアテキスト認証情報の排除、ルートアクセスキー排除
ログ・監視の確保45%04CloudTrail マルチリージョン証跡、ログ設定
ネットワーク分離 / VPC 設計67%06カスタム VPC 配置、拡張 VPC ルーティング
暗号鍵の保護22%11KMS キーの削除防止
その他22%02上記に含まれないもの

CRITICAL 27 件中 21 件(78%)がパブリックアクセスの防止に分類される。

選定の考え方

本記事では、パブリックアクセスの防止(35 件)を検証対象とする。

パブリックアクセスにフォーカスする理由:

  • CRITICAL 27 件中 21 件(78%)がパブリックアクセス関連であり、最もリスクが高いパターン
  • 全 82 件の 43% を占める最大のカテゴリ

残り 47 件は、テーマが異なるため今回は扱わない。セキュリティサービスの有効化(GuardDuty / Inspector 等)は組織設計、パッチ管理やネットワーク分離はワークロード固有の運用設計に依存するテーマであり、パブリックアクセスの防止とは検証の観点が異なる。

パブリックアクセスの分類

35 件のコントロールを「何がパブリックになるか」の観点で 5 つに分類した。

分類概要件数
S3 パブリックアクセスS3 バケット・アクセスポイントのデータが公開される5
スナップショット公開スナップショットが他アカウントから復元可能になる5
インターネット到達性VPC 内リソースがインターネットから到達可能になる15
リソースポリシー系リソースポリシーでパブリックアクセスが許可される5
サービス独自の公開設定サービス固有の BPA やパブリックアクセス設定5

各分類の個別コントロール・検証結果は上記リンク先のページを参照。

デフォルト保護

Security Hub CSPM のコントロールには、「何もしなくてもデフォルトで PASSED になるもの」と「デフォルトでは FAILED になるもの」がある。これを本記事ではデフォルト保護と呼ぶ。

定義と意味

「保護済み」とは、対象リソースを CLI のオプション省略(API のデフォルト値)で作成した場合に、当該コントロールが PASSED となる状態を指す。具体的には以下のいずれかが該当する。

  • リソース作成時のデフォルト設定が、パブリックアクセスを許可しない方向に設定されている(例: S3 バケットの BPA がデフォルト有効)
  • リソースのリソースポリシーがデフォルトでは存在せず、パブリック許可の経路自体がない(例: Lambda 関数の関数ポリシー)
  • リソースの初期状態がそもそも非公開である(例: スナップショットの restore 属性が空)

逆に「未保護」のコントロールは、リソースを CLI のデフォルト値で作成した瞬間に FAILED の finding が発生するか、リソース作成とは別のアカウントレベル設定を有効化しないと FAILED のままになるものを指す(例: EBS Snapshot BPA は明示的に block-all-sharing に変更しない限り無効)。

API デフォルトとマネジメントコンソール

本記事における「デフォルト保護」は API のデフォルト値(CLI でオプションを省略した場合の値)に基づく。マネジメントコンソールの作成ウィザードでは、API のデフォルトとは異なる、より安全な値がプリセットされている場合がある。コンソール経由の操作だけを見ていると気付かない設定ギャップが、Terraform / CloudFormation / SDK 経由の自動化では露呈する、ということが起こり得る。

検証アプローチへの影響

デフォルト保護されているかどうかは、コントロールの検証アプローチに影響する。

  • 保護済みのコントロール: デフォルトのままでは finding が発生しないため、検証は「どんな操作をすると FAILED になるか」「FAILED 状態から PASSED に戻すには何が必要か」を確認する流れになる
  • 未保護のコントロール: デフォルトで FAILED になっていることをまず確認し、そこから「PASSED にするには何を設定すればよいか」を検証する流れになる

詳細は各カテゴリの個別ページを参照。

コントロール間の連動

組織レベルの宣言型ポリシーや一部のアカウント単位 BPA 設定を有効化すると、複数のコントロールが連動して PASSED に変化したり、違反操作が API レベルで拒否される。これらのペア関係を理解しておくと、予防手段の選択時に効率的に複数コントロールをカバーできる。

宣言型ポリシー / アカウント単位 BPA連動するコントロール連動の仕組み
S3 ポリシー(アカウントレベル BPA 強制)S3.2 / S3.3(パブリック読み書きブロック)アカウントレベル BPA が強制されるとパブリックアクセス成立条件を満たさず、S3.2 / S3.3 が COMPLIANT に変化(S3.6 / S3.8 / S3.19 はバケット・アクセスポイント単位の評価のため変化しない)
EBS Snapshot BPA(block-all-sharing 強制)EC2.1(個別スナップショットがパブリック共有されていない)
EC2.182(EBS Snapshot BPA 有効)
BPA を block-all-sharing に強制すると、既存パブリックスナップショットも実質的にアクセス不可となり、両方が PASSED に変化
SSM Block Public Sharing 有効化SSM.4(個別ドキュメントがパブリックでない)
SSM.7(SSM BPA 有効)
SSM BPA が有効であれば、ModifyDocumentPermission --account-ids 'all' が API レベルで拒否されるため、SSM.4 違反の発生を予防できる

このため、組織単位で宣言型ポリシーを適用すれば、ペアの個別コントロールも自動的に PASSED 化または予防できる場合がある。ただし S3.6 / S3.8 / S3.19 のように評価対象が異なるコントロールは別途個別に対応が必要。表内で「SSM.7 連動」と表記されているのは、SSM Block Public Sharing 有効化により SSM.4 が予防される関係を指す。

SCP / 宣言型ポリシーの違い(既存違反の扱い)

予防手段にもいくつか種類があり、適用時点で既に違反状態のリソースが存在する場合の挙動が異なる。

予防手段の種類適用前の違反リソースへの影響デフォルト保護 × の場合の追加作業
宣言型ポリシー(設定値強制型): EBS Snapshot BPA、S3 ポリシー、SSM Block Public Sharing設定値そのものを強制するため、適用と同時にアカウント単位の初期化が完了不要
宣言型ポリシー(アクセス遮断型): VPC BPAリソース側の設定値は変えないが、実際のネットワークアクセスを遮断不要(実害は止まるが finding は残る)
SCP / 予防コントロール(API ブロック型): CT.LAMBDA.PV.2、CT.S3.PV.4、カスタム SCP 等API 操作を Deny するだけで既存リソースの設定は変わらないデフォルトで違反状態の場合、SCP 適用前に手動で初期化(または修復)が必要
RCP(実行時遮断): CT.KMS.PV.7、CT.SQS.PV.1、カスタム RCP設定値もリソースポリシーも変えないが、組織外からの実アクセスを遮断不要(実害は止まるが finding は残る)

「宣言型ポリシー(設定値強制型)」が成り立つのは、対象がアカウント単位の設定(EBS Snapshot BPA、S3 アカウントレベル BPA、SSM Block Public Sharing 等)の場合に限られる。リソース作成時の API パラメータ(例: RDS の PubliclyAccessible、EKS の endpointPublicAccess)を宣言的に強制する仕組みは AWS Organizations の宣言型ポリシーには存在せず、これらは SCP の Condition で API 呼び出しを Deny する以外に予防手段がない(CloudFormation Hook によるプロアクティブ予防は IaC 経由のデプロイにしか効かないため、本記事ではスコープ外)。

このため、SCP / 予防コントロールでデフォルト保護 × のコントロールに対応する場合は、SCP 適用前に既存リソースの初期化が必要となる。例えば SSM.7 はデフォルトで未保護のため、カスタム SCP で BPA 設定変更を Deny する前に、まず BPA を有効化しておく必要がある(さもないと SCP によって BPA が無効のまま固定されてしまう)。

アカウント発行時のベースラインで対応できるか

35 件のうち、SCP / カスタム SCP で予防するコントロールについて、アカウント発行時のベースラインだけで対応できるか整理する。

コントロールデフォルト保護予防手段ベースラインでの対応
SSM.7×カスタム SCPアカウント発行時に 「BPA 有効化 → SCP 適用」の順序で実施する必要がある。デフォルトでは BPA が無効状態のため、先に SCP(BPA 設定変更を Deny)を適用してしまうと BPA を有効化できなくなる
RDS.2×カスタム SCPアカウント発行時に SCP を適用するだけで対応可能。アカウント発行直後は DB インスタンスが存在しないため finding は PASSED であり、SCP を最初から適用しておけば違反 DB の作成自体がブロックされる。SSM.7 のような「BPA → SCP の順序」問題はない

これら以外の SCP / 予防コントロール / 宣言型ポリシー / RCP で予防する 27 件は、デフォルト保護 〇 か、宣言型ポリシー(設定値強制型)/ RCP のように「ポリシー適用と同時に保護される」性質のため、ベースライン施策における順序問題は発生しない。

なお、上記は新規アカウント発行時の話で、既存アカウントに後から SCP を適用する場合は別途、既存違反リソースの修正計画が必要になる。RDS.2 の場合は既存パブリック DB の PubliclyAccessible=false 化(接続エンドポイント DNS 解決先が変わるためアプリケーション影響あり)が必要で、これはワークロード所有者との調整が必要となる。

他のツールとの位置づけ

Security Hub CSPM で検出された問題に対して、「予防」と「検出の深掘り」の両面で補完するツールがある。Security Hub CSPM は「リソースの設定」を継続的にチェックするのが基本だが、別の角度から問題を見るツールや、そもそも問題が起きないように事前に防ぐツールを組み合わせることで、より強固な防御層になる。

検出の深掘り

Security Hub CSPM 自体は「設定がベストプラクティスに沿っているか」をチェックするが、最終的に「どこから誰がアクセスできるか」までは踏み込まない。この観点を補完するのが IAM Access Analyzer である。

ツール役割チェック方法
Security Hub CSPM設定の逸脱を継続的にチェックAWS Config ルールによる設定チェック
IAM Access Analyzer外部からの到達可能性を分析Zelkova 自動推論エンジンによるポリシー分析

Security Hub CSPM は「設定がどうなっているか」をチェックする。IAM Access Analyzer は「最終的に誰がアクセスできるか」を分析する。Security Hub CSPM がパブリックアクセスの設定チェックを中心とするのに対し、IAM Access Analyzer はパブリックアクセスに加えてクロスアカウントアクセス(組織内・組織外の別アカウントからのアクセス)も検出する。

そのため、IAM Access Analyzer の対象リソース(S3 バケット、IAM ロール、KMS キー、Lambda 関数、SQS キュー、Secrets Manager、SNS トピック、EBS スナップショット、RDS スナップショット、ECR リポジトリ、EFS ファイルシステム、DynamoDB)については、CSPM がパブリックアクセスのみを検出するコントロールであっても、IAM Access Analyzer でクロスアカウントアクセスを補完的に検出できる。一方、IAM Access Analyzer の対象外リソース(VPC リソース、DocumentDB / Neptune クラスタースナップショット、SSM ドキュメント、EKS、MSK 等)については、CSPM の検出が主な手段となる。

なお、Control Tower にも独自の検出コントロール(Strongly recommended / Elective)があり、パブリックアクセス関連のものも含まれる。ただし、FSBP の方がコントロール数が多く網羅性が高いため、本記事では FSBP を基準として整理する(Control Tower のコントロール種別ごとの本サイトでの扱いは本サイトでのコントロール種別の扱いを参照)。

予防

Security Hub CSPM はあくまで「事後検出」のツールであり、問題のある設定が作成されること自体は止められない。問題のある設定を作成段階でブロックするのが「予防」のツール群である。

ツール役割適用方法
Control Tower 予防コントロールAWS が提供するマネージドな予防ガードレール(SCP / RCP / 宣言型ポリシー)Control Tower コンソールから OU 単位で有効化
宣言型ポリシーサービスの基本設定を組織全体に宣言的に強制Organizations で OU 単位またはアカウント単位で適用
カスタム SCP / RCP 等予防コントロールが存在しないサービスを補完Organizations で独自のポリシーを作成・適用

予防コントロールおよび宣言型ポリシーが存在するサービスについては、これらを優先的に活用すべきである。予防コントロールは AWS がポリシーの内容を管理しており、サービスの仕様変更に追従する。宣言型ポリシーはサービスのコントロールプレーンで直接強制されるため、新しい API が追加されてもポリシーの更新なしに設定を維持できる。一方、カスタム SCP / RCP は自分でメンテナンスが必要であり、サービスの API 変更や新機能追加に対して追従漏れのリスクがある。

予防コントロールが存在しないサービスについては、カスタム SCP / RCP 等で補完する必要がある。

予防手段が finding に与える影響

予防手段を有効化した場合、Security Hub の finding 状態は予防手段の種類によって挙動が異なる点に注意が必要である。

種類finding への影響
宣言型ポリシーで設定値そのものを強制するパターン(例: EBS Snapshot BPA)設定値が変わるため finding が PASSED に変化する
宣言型ポリシーがアクセスを遮断するが設定値は変えないパターン(例: VPC BPA)リソース側の設定は変わらないため finding は FAILED のままだが、実際のアクセスはブロックされる
SCP で API 操作をブロックするパターン(例: CT.EC2.PV.3)既存のリソース状態は維持されるため、既に FAILED 状態のリソースは FAILED のまま。新規の違反操作は止められる
RCP で組織外アクセスを遮断するパターン(例: CT.S3.PV.4)リソースポリシーは書き換えないため finding は変わらない。組織外からの実アクセスはブロックされる

「予防手段を有効化したのに FAILED が残っている」というケースは多くあり、それは必ずしも予防が機能していないことを意味しない。実害の有無を判断するには、予防手段の種類と、各コントロールの評価ロジックの両方を理解する必要がある。詳細は各カテゴリの個別ページに記載した。

全コントロール一覧

35 件のパブリックアクセス防止コントロールについて、デフォルト保護・IAM Access Analyzer 対応・予防手段を一覧にまとめる。

凡例

  • デフォルト保護: 〇 = リソースを CLI のデフォルト値で作成すると PASSED になる / × = デフォルトでは FAILED になる
  • IAA: IAM Access Analyzer の対象リソースか。〇 = 対象(クロスアカウントアクセスも検出可能) / × = 対象外
  • 予防手段: 各手段の機構を以下の 3 種類で示す。
    • [予] 予防: 違反状態の発生を防ぐ。API 操作の Deny(SCP / Control Tower 予防コントロール)と、設定値そのものを強制する宣言型ポリシーがこれに該当
    • [実] 実害ブロック(finding は残る): リソース側の設定値は変えないが、実際のネットワークアクセスを遮断する。VPC BPA / RCP がこれに該当
    • [検] 検知 + 修復: API 操作はブロックできないため、Config マネージドルールで検知し、自動修復ランブックで復旧する

予防手段に * が付いているものは、実装方針は判明している(条件キーが提供されている、対応するマネージドルールが存在する等)が本サイトでは未検証のもの。

S3 パブリックアクセス(5 件)

コントロール重大度タイトルデフォルト保護IAA予防手段
S3.2CRITICALS3 汎用バケットでパブリック読み取りアクセスをブロックする[予] S3 ポリシー(宣言型)
[実] CT.S3.PV.4
S3.3CRITICALS3 汎用バケットでパブリック書き込みアクセスをブロックする[予] S3 ポリシー(宣言型)
[実] CT.S3.PV.4
S3.19CRITICALS3 アクセスポイントで BPA 設定を有効にする[予] S3 ポリシー(宣言型)
S3.6HIGHS3 汎用バケットポリシーで他の AWS アカウントからのアクセスを制限する[実] CT.S3.PV.4
S3.8HIGHS3 汎用バケットで BPA を有効にする[予] S3 ポリシー(宣言型)

スナップショット公開(5 件)

コントロール重大度タイトルデフォルト保護IAA予防手段
EC2.1CRITICALEBS スナップショットがパブリック共有されていないこと[予] EBS Snapshot BPA(宣言型)
[予] CT.EC2.PV.3
EC2.182HIGHEBS スナップショットの BPA 設定が有効であること×[予] EBS Snapshot BPA(宣言型)
RDS.1CRITICALRDS スナップショットがプライベートであること[検] Config + 自動修復
DocumentDB.3CRITICALDocumentDB 手動クラスタースナップショットがパブリックでないこと×[検] Config + 自動修復
Neptune.3CRITICALNeptune DB クラスタースナップショットがパブリックでないこと×[検] Config + 自動修復

インターネット到達性(15 件)

コントロール重大度タイトルデフォルト保護IAA予防手段
EC2.9HIGHEC2 インスタンスがパブリック IPv4 アドレスを持っていないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
EC2.25HIGHEC2 起動テンプレートがパブリック IP を割り当てていないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
Autoscaling.5HIGHAuto Scaling 起動設定でパブリック IP を持っていないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
ECS.2HIGHECS サービスにパブリック IP が自動割り当てされていないこと×[実] VPC BPA(宣言型)
ECS.16HIGHECS タスクセットにパブリック IP が自動割り当てされていないこと×[実] VPC BPA(宣言型)
EMR.1HIGHEMR クラスタープライマリノードがパブリック IP を持っていないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
RDS.2CRITICALRDS DB インスタンスが PubliclyAccessible でないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
[予] カスタム SCP
RDS.46HIGHRDS DB インスタンスがパブリックサブネットにデプロイされていないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
DMS.1CRITICALDMS レプリケーションインスタンスがパブリックでないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
Redshift.1CRITICALRedshift クラスターがパブリックアクセスを許可していないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
[検] Config + 自動修復
RedshiftServerless.3HIGHRedshift Serverless ワークグループがパブリックアクセスを許可していないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
SageMaker.1HIGHSageMaker ノートブックインスタンスがインターネットに直接アクセスできないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
ES.2CRITICALElasticsearch ドメインがパブリックにアクセス可能でないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
Opensearch.2CRITICALOpenSearch ドメインがパブリックにアクセス可能でないこと××[実] VPC BPA(宣言型)
EC2.19CRITICALSG がハイリスクポートへの無制限インバウンドアクセスを許可していないこと×[実] VPC BPA(宣言型)

VPC BPA は IGW / EIGW 経由のインターネット通信を組織全体でブロックする統制であり、本カテゴリの 15 件すべてに対する予防手段として機能する。ただし、リソース側の設定値(パブリック IP の付与設定、PubliclyAccessible フラグ等)は変更しないため、finding は FAILED のまま残る。実害(実際のインターネットアクセス)はブロックされる。

VPC BPA はリージョン単位かつアカウント全体に及ぶため、インターネット接続が必要な VPC は Exclusion で明示する運用となる。組織横断で Exclusion をどう管理するか(誰が Exclusion を作成できるか、SCP で制御するか)は別途運用検証が必要である。詳細はインターネット到達性を参照。

VPC BPA の運用負荷(多数の VPC、Exclusion 管理)が組織として許容できない場合のフォールバック策として、データストア系の CRITICAL 5 件(RDS.2 / DMS.1 / Redshift.1 / ES.2 / Opensearch.2)については個別予防の選択肢があるが、サービスごとに対応手段が異なる。CRITICAL 5 件に絞った理由は、これらが情報漏洩時の影響が甚大なデータストア系であり、二重防御の投資対効果が高いため。HIGH 10 件は VPC BPA に寄せる方針とする(リスクの段階差を踏まえた絞り込み)。

コントロール個別予防の選択肢
RDS.2カスタム SCPrds:PubliclyAccessible 条件キー)
Redshift.1Config + 自動修復(マネージドランブック AWSConfigRemediation-DisablePublicAccessToRedshiftCluster
DMS.1 / ES.2 / Opensearch.2作成後にパブリックアクセス設定を変更できないため自動修復対象外(詳細

DMS.1 / ES.2 / Opensearch.2 については、VPC BPA で実害(外部からのアクセス)はブロックされるが、リソース側設定の変更は API 上不可能なため、新規作成時に予防する手段(カスタム SCP)が望ましい。ただしこれらサービスにはパブリックアクセスを制御する条件キーが存在しない(条件キー調査結果)。

リソースポリシー系(5 件)

コントロール重大度タイトルデフォルト保護IAA予防手段
Lambda.1CRITICALLambda 関数ポリシーがパブリックアクセスを許可していないこと[予] CT.LAMBDA.PV.2
KMS.5CRITICALKMS キーがパブリックにアクセス可能でないこと[実] CT.KMS.PV.7
SNS.4CRITICALSNS トピックアクセスポリシーがパブリックアクセスを許可していないこと[検] Config + 自動修復
SQS.3CRITICALSQS キューアクセスポリシーがパブリックアクセスを許可していないこと[実] CT.SQS.PV.1
SSM.4CRITICALSSM ドキュメントがパブリックでないこと×[予] SSM.7 連動(SSM BPA 有効化)

サービス独自の公開設定(5 件)

コントロール重大度タイトルデフォルト保護IAA予防手段
SSM.7CRITICALSSM ドキュメントのパブリック共有ブロック設定が有効であること××[予] カスタム SCP
EMR.2CRITICALEMR の BPA 設定が有効であること×[予] カスタム SCP
MSK.4CRITICALMSK クラスターのパブリックアクセスが無効であること×[予] カスタム SCP
EKS.1HIGHEKS クラスターエンドポイントがパブリックにアクセス可能でないこと××[予] カスタム SCP
Redshift.15HIGHRedshift SG がクラスターポートへのアクセスを制限していること×[実] VPC BPA(宣言型)

Redshift.15 は VPC BPA で実害(外部からのクラスターポートへのアクセス)はブロックされるが、セキュリティグループの ingress ルール自体は変わらないため finding は FAILED のまま残る。

注釈

  • * 実装方針は判明している(条件キーが提供されている、Config マネージドルールが存在する等)が、本サイトでは未検証